入金不用

<ウェブサイト名>

<現在の時刻>

出典: 標準

本文へ お問い合わせ・ご意見 よくあるご質問 交通アクセス サイトマップ English ご支援のお願い 国環研について 研究所の詳細 研究所概要 憲章 理事長あいさつ 沿革 人員構成 予算 研究所紹介動画/パンフレット 交通アクセス よくあるご質問 お問い合わせ・ご意見 組織紹介 役員等 企画・支援部門 研究実施部門 研究者紹介 企画部 連携推進部 地球システム領域 資源循環領域 環境リスク・健康領域 地域環境保全領域 社会システム領域 生物多様性領域 気候変動適応センター 福島地域協働研究拠点 琵琶湖分室 五十音順一覧 研究所基本文書 国立環境研究所法 中長期目標・中長期計画 年度計画 基本方針・行動計画等 業務実績等報告書等 業務実績評価 事業報告書 財務諸表等 役職員の報酬・給与等 規程・規則等 研究所マップ 所外実験施設 調達・契約 競争入札公告等の情報 電子入札ポータルサイト 取引停止措置について 競争参加資格 随意契約に係る情報の公表(物品役務等) 随意契約に係る情報の公表(公共工事) 競争入札に係る情報の公表(物品役務等) 競争入札に係る情報の公表(公共工事) 当研究所と一定の関係を有する法人との契約に係る情報の公表 公益法人への支出に関する契約に係る情報の公開 契約に関する統計の公表 公共サービス改革法に基づく民間競争入札の実施状況 契約監視委員会 随意契約の基準 当研究所の契約の適正化の取組について 随意契約等見直し計画(平成22年4月) 平成20年度随意契約見直し計画フォローアップ(平成21年7月) 随意契約の見直しに係る今後の対応について(平成21年6月) 随意契約見直し計画(平成19年12月) 調達等合理化計画について 研究費の不正防止に関する協力依頼 環境物品等の調達の推進を図るための方針 環境物品等の調達実績 温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の締結実績の概要 障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針 障害者就労施設等からの物品等の調達実績 中小企業者に関する契約の方針 女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組 採用案内 研究系職員 事務系職員 研究系契約職員 高度技能専門員 アシスタントスタッフ 研究所の姿勢・取り組み 研究所の環境配慮 環境配慮憲章 環境報告書 過去の環境配慮に関する取組状況 災害用備蓄食品の有効活用について 身近な生物多様性の保全活動-私たちの環境配慮活動- 環境物品等の調達の推進を図るための方針 環境物品等の調達実績 温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の締結実績の概要 政策貢献 環境情報メディア「環境展望台」 情報公開 法人文書の開示 附帯決議等をふまえた総務省通知に基づく情報公開 独立行政法人から関連法人への補助・取引等及び再就職の状況 研究上の不正行為防止及び公的研究費不正使用防止 役員に就いている退職公務員等の公表 懲戒処分の公表 契約に係る情報の公表 会計検査院の直近の検査報告のうち国立環境研究所に関する部分 個人情報保護 個人情報ファイル簿 保有個人情報の開示、訂正及び利用停止について 国立環境研究所のプライバシーポリシー 行政機関・独立行政法人等における個人情報の保護(総務省) 情報セキュリティ対策 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)への対応 研究倫理 医学研究倫理審査委員会 ヒトES細胞等研究倫理審査委員会 動物実験委員会 人を対象とする研究(医学を除く)に関する倫理審査委員会 × 国立環境研究所について 国立環境研究所(国環研)は幅広い環境研究に学際的かつ総合的に取り組む我が国唯一の公的な研究所です。 おすすめ動画 研究紹介 研究分野 地球システム分野 資源循環分野 環境リスク・健康分野 地域環境保全分野 生物多様性分野 社会システム分野 災害環境分野 気候変動適応分野 戦略的研究プログラム 気候変動・大気質研究プログラム 物質フロー革新研究プログラム 包括環境リスク研究プログラム 自然共生研究プログラム 脱炭素・持続社会研究プログラム 持続可能地域共創研究プログラム 災害環境研究プログラム 気候変動適応研究プログラム 国の計画に基づき中長期計画期間を超えて実施する事業 衛星観測に関する事業(衛星観測センター) エコチル調査コアセンター 研究成果 新着情報 研究成果の提供 データベース/ツール 地球環境 健康・化学物質 大気・水環境 自然・生物 ごみ・リサイクル 環境と社会 その他 研究プロジェクト等のページ 地球環境 健康・化学物質 大気・水環境 自然・生物 その他 研究計画・研究評価 国立環境研究所研究計画 外部研究評価 国際的有識者による研究所の活動評価・助言 × 国立環境研究所の研究 8つの研究分野を設定し、環境問題の解決に貢献する研究を実施しています。 おすすめ動画 外部連携 受託業務 委託業務 共同研究 地環研等との共同研究 全国環境研究所交流シンポジウム 全国環境研究所交流シンポジウム予稿集はこちら 環境研究機関連絡会 知的所有権(特許等) 研究シーズ集 研究試料の有償分譲 環境標準物質 微生物系統保存施設 実験水生生物分譲 国際連携・国際活動 国際アドバイザリーボード(IAB)助言会合 国際的有識者による研究所の活動評価・助言 日韓中3カ国環境研究機関長会合(TPM) 国連気候変動枠組条約締約国会議UNFCCC-COPへの参画 気候変動に関する政府間パネルIPCCへの協力 アジアフラックス(AsiaFlux) NIES国際フォーラム 連携大学院 社会との対話・協働 寄附金 × 外部機関との連携 民間企業や地方公共団体との連携により、研究開発成果の社会実装を推進しています。 おすすめ動画 広報活動 研究所紹介パンフレット/動画 報道発表 最新の報道発表 年度別一覧 イベント情報 開催予定のイベント イベント別一覧 年度別一覧 見学について 交通アクセス 国立環境研究所一般公開 国立環境研究所公開シンポジウム 刊行物一覧 国立環境研究所ニュース 研究情報誌「環境儀」 国立環境研究所年報 NIES Annual Report 国立環境研究所研究計画 国立環境研究所研究報告 国立環境研究所研究プロジェクト報告(旧特別研究報告) 国立環境研究所業務報告 環境報告書 国立環境研究所 公開シンポジウム要旨集 全国環境研究所交流シンポジウム予稿集 災害環境研究関連 地球環境研究センターニュース CGERリポート オンラインマガジン環環 HarmoNIES NIESレターふくしま その他刊行物 Webマガジン「国環研View」 環境問題をわかりやすく 熱中症予防情報 研究最前線 ふしぎを追って-研究室の扉を開く- いま、地球がたいへん! ココが知りたい地球温暖化 CGER eco倶楽部 環環kannkann 放射性物質を含む廃棄物に関するQ&A ~入門編~ リスクと健康のひろば 環境展望台 環境展望台「環境技術解説」 環境展望台「探究ノート」 国立環境研究所動画チャンネル HarmoNIES 小・中・高校生の方へ いま、地球がたいへん! CGER eco倶楽部 環環kannkann 環境展望台「探究ノート」 メールマガジン NIESメールマガジン 新着情報メール配信サービス NIESメディア向けメールマガジン SNS一覧 公式SNS 地球環境研究センター 気候変動適応情報プラットフォーム 社会対話・協働推進オフィス(対話オフィス) 微生物系統保存施設(NIESコレクション) ミツバチ研究チーム × 報道関係者・一般の皆様に向けた広報活動 報道発表やイベント、刊行物などを通して、報道関係者や一般の皆様向けに広報活動を行っています。 おすすめ動画 国環研について 国環研について 研究所の詳細 研究所概要 研究所概要 憲章 理事長あいさつ 沿革 人員構成 予算 研究所紹介動画/パンフレット 交通アクセス よくあるご質問 お問い合わせ・ご意見 組織紹介 組織紹介 役員等 企画・支援部門 研究実施部門 研究者紹介 研究者紹介 企画部 連携推進部 地球システム領域 資源循環領域 環境リスク・健康領域 地域環境保全領域 社会システム領域 生物多様性領域 気候変動適応センター 福島地域協働研究拠点 琵琶湖分室 五十音順一覧 研究所基本文書 研究所基本文書 国立環境研究所法 中長期目標・中長期計画 年度計画 基本方針・行動計画等 業務実績等報告書等 業務実績評価 事業報告書 財務諸表等 役職員の報酬・給与等 規程・規則等 研究所マップ 研究所マップ 所外実験施設 所外実験施設 調達・契約 調達・契約 競争入札公告等の情報 電子入札ポータルサイト 取引停止措置について 競争参加資格 随意契約に係る情報の公表(物品役務等) 随意契約に係る情報の公表(公共工事) 競争入札に係る情報の公表(物品役務等) 競争入札に係る情報の公表(公共工事) 当研究所と一定の関係を有する法人との契約に係る情報の公表 公益法人への支出に関する契約に係る情報の公開 契約に関する統計の公表 公共サービス改革法に基づく民間競争入札の実施状況 契約監視委員会 随意契約の基準 当研究所の契約の適正化の取組について 随意契約等見直し計画(平成22年4月) 平成20年度随意契約見直し計画フォローアップ(平成21年7月) 随意契約の見直しに係る今後の対応について(平成21年6月) 随意契約見直し計画(平成19年12月) 調達等合理化計画について 研究費の不正防止に関する協力依頼 環境物品等の調達の推進を図るための方針 環境物品等の調達実績 温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の締結実績の概要 障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針 障害者就労施設等からの物品等の調達実績 中小企業者に関する契約の方針 女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組 採用案内 採用案内 研究系職員 事務系職員 研究系契約職員 高度技能専門員 アシスタントスタッフ 研究所の姿勢・取り組み 研究所の環境配慮 研究所の環境配慮 環境配慮憲章 環境報告書 過去の環境配慮に関する取組状況 災害用備蓄食品の有効活用について 身近な生物多様性の保全活動-私たちの環境配慮活動- 環境物品等の調達の推進を図るための方針 環境物品等の調達実績 温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の締結実績の概要 政策貢献 政策貢献 環境情報メディア「環境展望台」 環境情報メディア「環境展望台」 情報公開 情報公開 法人文書の開示 附帯決議等をふまえた総務省通知に基づく情報公開 独立行政法人から関連法人への補助・取引等及び再就職の状況 研究上の不正行為防止及び公的研究費不正使用防止 役員に就いている退職公務員等の公表 懲戒処分の公表 契約に係る情報の公表 会計検査院の直近の検査報告のうち国立環境研究所に関する部分 個人情報保護 個人情報保護 個人情報ファイル簿 保有個人情報の開示、訂正及び利用停止について 国立環境研究所のプライバシーポリシー 行政機関・独立行政法人等における個人情報の保護(総務省) 情報セキュリティ対策 情報セキュリティ対策 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)への対応 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)への対応 研究倫理 研究倫理 医学研究倫理審査委員会 ヒトES細胞等研究倫理審査委員会 動物実験委員会 人を対象とする研究(医学を除く)に関する倫理審査委員会 研究紹介 研究紹介 研究分野 研究分野 地球システム分野 資源循環分野 環境リスク・健康分野 地域環境保全分野 生物多様性分野 社会システム分野 災害環境分野 気候変動適応分野 戦略的研究プログラム 戦略的研究プログラム 気候変動・大気質研究プログラム 物質フロー革新研究プログラム 包括環境リスク研究プログラム 自然共生研究プログラム 脱炭素・持続社会研究プログラム 持続可能地域共創研究プログラム 災害環境研究プログラム 気候変動適応研究プログラム 国の計画に基づき中長期計画期間を超えて実施する事業 国の計画に基づき中長期計画期間を超えて実施する事業 衛星観測に関する事業(衛星観測センター) エコチル調査コアセンター 研究成果 研究成果 新着情報 研究成果の提供 データベース/ツール データベース/ツール 地球環境 健康・化学物質 大気・水環境 自然・生物 ごみ・リサイクル 環境と社会 その他 研究プロジェクト等のページ 研究プロジェクト等のページ 地球環境 健康・化学物質 大気・水環境 自然・生物 その他 研究計画・研究評価 研究計画・研究評価 国立環境研究所研究計画 外部研究評価 国際的有識者による研究所の活動評価・助言 外部連携 外部連携 受託業務 受託業務 委託業務 委託業務 共同研究 共同研究 地環研等との共同研究 地環研等との共同研究 全国環境研究所交流シンポジウム 全国環境研究所交流シンポジウム 全国環境研究所交流シンポジウム予稿集はこちら 環境研究機関連絡会 環境研究機関連絡会 知的所有権(特許等) 知的所有権(特許等) 研究シーズ集 研究シーズ集 研究試料の有償分譲 研究試料の有償分譲 環境標準物質 微生物系統保存施設 実験水生生物分譲 国際連携・国際活動 国際連携・国際活動 国際アドバイザリーボード(IAB)助言会合 国際的有識者による研究所の活動評価・助言 日韓中3カ国環境研究機関長会合(TPM) 国連気候変動枠組条約締約国会議UNFCCC-COPへの参画 気候変動に関する政府間パネルIPCCへの協力 アジアフラックス(AsiaFlux) NIES国際フォーラム 連携大学院 連携大学院 社会との対話・協働 社会との対話・協働 寄附金 寄附金 広報活動 広報活動 研究所紹介パンフレット/動画 研究所紹介パンフレット/動画 報道発表 報道発表 最新の報道発表 年度別一覧 イベント情報 イベント情報 開催予定のイベント イベント別一覧 年度別一覧 見学について 見学について 交通アクセス 国立環境研究所一般公開 国立環境研究所一般公開 国立環境研究所公開シンポジウム 国立環境研究所公開シンポジウム 刊行物一覧 刊行物一覧 国立環境研究所ニュース 研究情報誌「環境儀」 国立環境研究所年報 NIES Annual Report 国立環境研究所研究計画 国立環境研究所研究報告 国立環境研究所研究プロジェクト報告(旧特別研究報告) 国立環境研究所業務報告 環境報告書 国立環境研究所 公開シンポジウム要旨集 全国環境研究所交流シンポジウム予稿集 災害環境研究関連 地球環境研究センターニュース CGERリポート オンラインマガジン環環 HarmoNIES NIESレターふくしま その他刊行物 Webマガジン「国環研View」 Webマガジン「国環研View」 環境問題をわかりやすく 環境問題をわかりやすく 熱中症予防情報 研究最前線 ふしぎを追って-研究室の扉を開く- いま、地球がたいへん! ココが知りたい地球温暖化 CGER eco倶楽部 環環kannkann 放射性物質を含む廃棄物に関するQ&A ~入門編~ リスクと健康のひろば 環境展望台 環境展望台「環境技術解説」 環境展望台「探究ノート」 国立環境研究所動画チャンネル HarmoNIES 小・中・高校生の方へ 小・中・高校生の方へ いま、地球がたいへん! CGER eco倶楽部 環環kannkann 環境展望台「探究ノート」 メールマガジン メールマガジン NIESメールマガジン 新着情報メール配信サービス NIESメディア向けメールマガジン SNS一覧 SNS一覧 公式SNS 地球環境研究センター 気候変動適応情報プラットフォーム 社会対話・協働推進オフィス(対話オフィス) 微生物系統保存施設(NIESコレクション) ミツバチ研究チーム 本文へ お問い合わせ・ご意見 よくあるご質問 交通アクセス サイトマップ English ユーザー別ナビ | トップページ>広報活動>刊行物一覧>環境儀>環境儀 No.52> アオコの有毒物質の化学 ─構造解析と高精度分析手法の開発─ 2014年4月30日 アオコの有毒物質の化学 ─構造解析と高精度分析手法の開発─ Summary アオコを形成する藍藻類の中には有毒物質を産生する種類があり、様々な構造を持つ有毒物質が報告されています。 研究所ではアオコが産生する有毒物質による健康被害を抑制するために、アオコが産生する有毒物質の構造を解析するとともに、簡便・迅速で精度の高い分析手法の開発を行ってきました。 アオコが産生する有毒物質の構造解析  有毒物質の性質を理解するためには、まずその化学構造を知ることが大切です。アオコが産生する有毒物質であるミクロシスチンの構造は1980年代中頃に決定されました。その後、ノーベル化学賞も受賞した2次元核磁気共鳴(NMR)を含む化学分析の進歩により1990年代初めころには70種類以上のミクロシスチン同族体の構造が決定されていました。  研究所でも1990年代からアオコが産生する有毒物質について研究を行っていて、一つの藍藻株について数百リットル培養しては有毒物質を抽出・精製し、構造解析をしてきました。1995年にはスコットランドの株保存施設から預かった藍藻株の中から、新しいタイプのミクロシスチン類を見つけることができ、Dhb-ミクロシスチンと命名しました(図3)。Dhb-ミクロシスチン類はNMRスペクトルでは特徴的なパターンを示しますが、当時一般的に行われていた質量分析による解析では区別が難しく、発見が遅れたものと思われます。さらに、Dhb-ミクロシスチンの中にはNMRでしか区別できない幾何異性体の同族体も存在していて、NMRによる解析が重要であることを認識させられました。また、Dhb-ミクロシスチンはグルタチオン抱合による解毒を受けにくいことが知られていて、発がん物質である可能性も指摘されています。現在までに11種類のDhb-ミクロシスチン類が報告されていますが、研究所ではそのうちの9種類についてその構造を決定・報告してきました。  ミクロシスチン以外では、1993年には魚毒性を示すチオンスルフォリピドの単離・構造解析、2011年には筑波大学の彼谷教授のグループと共同で環境ホルモン作用が疑われている7-ヒドロキシレチノイン酸の単離・構造決定も行っています。 図3 Dhb ミクロシスチンの発見 ミクロシスチンを構成する7番目のアミノ酸残基がデヒドロアラニン(Dha)からデヒドロブチリン(Dhb)に変わったミクロシスチンの総称。1995年にDhb-ミクロシスチン-RRの構造を世界に先駆け報告し、Dhb-ミクロシスチンと命名しました。Dhb-ミクロシスチンのDhb残基には幾何異性体(EとZ)が存在していて、核磁気共鳴スペクトル(NMR)以外では識別が困難です。上段の図[Dha7]microcystin-LR)では赤い矢印部分に鋭いシグナルが2本見られますが、中段の図([D-Asp3,(E)-Dhb7]microcystin-LR)では一組の4重線が5.7ppm付近に見られます。下段の図([D-Asp3,(Z)-Dhb7] microcystin-LR)では一組の4重線が6.4ppm付近に見られます。このようにNMRスペクトルではDhb-ミクロシスチンは6ppm付近に特徴的な4重線のシグナルが現れるので、容易に区別することができますが、質量分析では同じ質量数の同族体、特に[D-Asp3]ミクロシスチン類との区別が困難です。 アオコが産生する有毒物質の毒性評価手法の開発  有毒物質は構造とともにその毒性(強さ、作用機序)に関する研究も大切です。ミクロシスチンは哺乳類では肝臓に特異的に取り込まれ、急性肝炎を起こすことが知られていて、ミクロシスチンの毒性はマウスに注射して調べられていました。  しかし動物実験を行うことが難しくなってきたことから、培養細胞を使った毒性試験法の開発を試みました。1996年には、電気刺激により細胞膜に穴を開けて強制的に細胞に取り込ませるエレクトロポレーションという手法により、本来はミクロシスチンを取り込まない培養細胞を使って毒性評価をする方法を開発しました。また、平成19~21年度には沖縄県の株式会社トロピカルテクノセンターとの共同研究で、遺伝子操作により安定性を高めた蛋白質脱リン酸化酵素(PP2A)を利用した毒性評価(定量)手法の開発も行いました。    さらに、平成21~23年度には、国立医薬品食品衛生研究所との共同研究において、冷凍状態で市販されている初代培養肝細胞を用いるとともに、定量的NMRで濃度をきちんと把握したミクロシスチン同族体を使うことにより再現性の良い毒性評価を行い、ミクロシスチンによるリスクの評価手法を確立しました。 アオコが産生する有毒物質の分析手法の開発  有毒物質の構造と毒性が解明されたら、そのリスクを評価するために有毒物質の量を測定する分析手法の開発が重要になります。研究所がミクロシスチンに関する研究を始めた頃にはすでに70種類以上のミクロシスチン類が報告されていましたが、標準品は6種類ほどしか市販されていなかったことから、まずミクロシスチン類の総量を測定する手法の開発を試みました。ミクロシスチン類のAddaと呼ばれる共通構造を酸化することによりMMPB(3-メトキシ-2-メチル-4-フェニル酪酸)とし、生成したMMPBを測定することでミクロシスチンの総量を測定する手法を1992年に開発しました(MMPB法)。この手法は、現在でも生物試料中や湖沼の底質中のミクロシスチン類を測定する手法として、世界中で利用されています。  MMPB法はミクロシスチン総量を測定する手法ですが、世界保健機構(WHO)が勧告したミクロシスチンの暫定基準値はミクロシスチン-LRという一つの同族体についての基準値だったことから、同族体を個別に測定する手法も開発されてきました。その中でも高速液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LCMS/MS)を用いる手法が同族体の同定および分析感度で優れています。ただし、この手法の弱点は測定時の夾雑物等によりイオン化する効率が不安定なことでした。この弱点の克服には、安定同位体で標識された化合物を使うのが一般的ですが、市販品はありませんでした。研究所ではミクロシスチンを作る藍藻株を窒素の安定同位体(15N)を含む培地中で培養することで、ミクロシスチン中の窒素(通常は14N)を効率よく安定同位体(15N)に置き換えることができることを見つけ、大量培養により15Nを含むミクロシスチンを調製しました。この15Nで標識したミクロシスチンを内部標準物質として測定したい試料に添加して分析することにより、精度良くミクロシスチンの分析を行うという手法を2010年に世界に先駆けて報告しました。今では、15N標識ミクロシスチンが市販されているので、15N標識ミクロシスチンを用いた高精度分析手法が日本国内のみならず世界の標準的な分析手法となることを期待しています。  また、有毒アオコへの対処を実際に担当される地方自治体の環境研究所と共同研究も行っていて、宮城県保健環境研究所、千葉県環境研究センター、奈良県景観・環境総合センター、福岡県保健環境センター、佐賀県くらし環境本部環境センター、沖縄県衛生環境研究所の研究者の方々と有毒アオコのモニタリング手法について検討を続けています。   目次 アオコの有毒物質を探る —構造解析と分析法の開発—環境儀 NO.52 世界に先がけ、アオコ有毒物質の分析法を開発Interview 研究者に聞く 有毒アオコをめぐる研究の動向研究をめぐって 国立環境研究所における「アオコの有毒物質に関する研究」のあゆみ PDFファイル環境儀 NO.52 [4.2MB] 目次 アオコの有毒物質を探る —構造解析と分析法の開発—環境儀 NO.52 世界に先がけ、アオコ有毒物質の分析法を開発Interview 研究者に聞く 有毒アオコをめぐる研究の動向研究をめぐって 国立環境研究所における「アオコの有毒物質に関する研究」のあゆみ PDFファイル環境儀 NO.52 [4.2MB] 関連新着情報 2023年6月14日環境DNAによる全国湖沼の魚類モニタリング: 1Lの採水によって40種を超える魚種を検出(京都大学記者クラブ、文部科学記者会、科学記者会、環境記者会、環境問題研究会、筑波研究学園都市記者会) 2023年4月17日頻発する猛暑が湖底の貧酸素化を引き起こす可能性(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付) 2023年3月24日炭化水素産生藻類ボトリオコッカスの「衣」に ドリルで穴をあけて住み着く共生細菌の発見 —藻類屋外大量培養と藻類ブルーム制御の鍵となる可能性—(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会、文部科学省記者クラブ、京都大学 記者クラブ、文部科学記者会、科学記者会同時配付) 2022年11月28日水位操作による富栄養化症状の緩和 ~湖沼における水質管理手法の新しい選択肢~(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付) 2021年6月3日水温上昇と水質悪化により湖沼の溶存酸素量が減少 —世界393湖沼の長期観測データからの警鐘—(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配布) 2021年3月4日環境毒ミクロシスチンを生産する 新種のシアノバクテリアを霞ケ浦から発見 -環境DNAでのみ存在が分かっていたシアノバクテリア-(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会、文部科学記者会同時配布) 2020年9月10日霞ヶ浦流域の大気中アンモニア濃度分布を初調査 湖面沈着量も推計 冬季に濃度高い傾向 富栄養化対策に継続的観測を (文部科学記者会、科学記者会、環境省記者クラブ、環境記者会、茨城県政記者クラブ、筑波研究学園都市記者会、京都大学記者クラブ同時配布) 2020年6月4日日本の水草に気候変動の影響 -120年・248湖沼のデータから見えてきた絶滅リスク-(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付) 2020年2月14日第35回全国環境研究所交流シンポジウム 「変わりゆく環境・生態系・人の関わりを考える」の開催【終了しました】(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付) 2019年6月28日「アオコの実像-シアノバクテリアの遺伝子解析からわかること」国立環境研究所「環境儀」第73号の刊行について(お知らせ) (筑波研究学園都市記者会、環境記者会、環境省記者クラブ同時配付) 2018年6月5日宍道湖、網走湖などの汽水湖でアオコが出現するメカニズムを解明(筑波研究学園都市記者会、環境記者会、環境省記者クラブ、京都大学記者会同時配付) 2015年3月31日環境技術解説「バイオアッセイ」を掲載しました 2015年1月22日過去50年間にわたる全国湖沼の漁業資源量の変化を解明:魚食性外来魚の侵入により資源量が減少 (筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ同時配付) 2014年5月9日国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第52号 「アオコの有毒物質を探る~構造解析と分析法の開発~」 の刊行について(お知らせ)(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ同時配付) 2012年9月12日(1) 環境標準物質 NIES CRM No.24フライアッシュIIおよびNIES CRM No.26アオコの有効期限が延長されました。 (2) 環境標準物質 NIES CRM No.28 都市大気粉塵の参考値にBe、Crを追加しました。 全てを見る 閉じる 関連記事 2022年12月28日気候変動影響の監視を目指した 湖沼高頻度自動観測の開始特集 気候変動と生態系、モニタリング研究の今 【研究施設・業務等の紹介】 2022年3月11日健康や生態系への影響が懸念される 化学物質すべての評価を目指して特集 数理モデル的手法を用いた化学物質の環境動態把握 2019年2月28日健康を取り巻く環境の変化から化学物質の問題を考える特集 化学物質が小児・将来世代に与える健康影響の評価とメカニズムの解析 2016年12月28日藻類株保存事業と霞ヶ浦研究特集 生物多様性の保全から自然共生へ 【研究施設、業務等の紹介】 2016年6月30日「地域環境問題」を解くことを目指して【地域環境研究センターの紹介】 2015年3月31日バイオアッセイ環境展望台「環境技術解説」 2013年12月28日一次生産を測る -魚と人の暮らしを支えるもの-特集 メコン流域ダム貯水池の生態系機能評価 【研究ノート】 2012年10月31日環境汚染の生態リスクを定量的に評価する●特集 生態リスク● 【シリーズ重点研究プログラムの紹介: 「化学物質評価・管理イノベーション研究プログラム」 から】 2012年4月27日湖沼での生態系機能と環境因子のリンケージ、“キチン”と診てみよう【シリーズ先導研究プログラムの紹介 : 『流域圏生態系研究プログラム』 から】 2011年6月30日環境リスク研究の発展にむけた環境リスク研究センターの取り組み【環境リスク研究センターの紹介】 全てを見る 閉じる 関連研究報告書 2012年12月28日湖沼における有機物の循環と微生物生態系との相互作用に関する研究 (特別研究) 平成20~23年度国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-103-2012 2007年12月28日有機物リンケージに基づいた湖沼環境の評価および改善シナリオ作成に関する研究(特別研究) 平成16〜18年度国立環境研究所特別研究報告 SR-78-2007 2006年12月28日内分泌かく乱物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト(終了報告) 平成13〜17年度国立環境研究所特別研究報告 SR-71-2006 2004年12月28日湖沼における有機炭素の物質収支および機能・影響に関する研究(特別研究) 平成13〜15年度国立環境研究所特別研究報告 SR-62-2004 2003年11月28日内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト(中間報告) 平成13〜14年度国立環境研究所特別研究報告 SR-56-2003 2003年9月30日環境ホルモンの分解処理要素技術に関する研究(内分泌攪乱化学物質総合対策研究) 平成11〜14年度国立環境研究所特別研究報告 SR-48-2002 2002年9月30日環境低負荷型・資源循環型の水環境改善システムに関する調査研究(特別研究) 平成12〜13年度国立環境研究所特別研究報告 SR-45-2002 2002年9月30日環境ホルモンの新たな計測手法の開発と環境動態に関する研究(内分泌撹乱化学物質総合対策研究) 平成11〜13年度国立環境研究所特別研究報告 SR-46-2002 2001年9月28日十和田湖の生態系管理に向けて II 国立環境研究所研究報告 R-167-2001 2001年1月31日環境中の「ホルモン様化学物質」の生殖・発生影響に関する研究(特別研究) 平成9〜11年度国立環境研究所特別研究報告 SR-37-2001 2000年3月31日湖沼環境の変遷と保全に向けた展望国立環境研究所研究報告 R-153-2000 1999年3月31日化学物質の生態影響評価のためのバイオモニタリング手法の開発に関する研究 平成7〜9年度国立環境研究所特別研究報告 SR-29-'99 1998年3月30日湖沼環境指標の開発と新たな湖沼環境問題の解明に関する研究 平成4〜8年度国立環境研究所特別研究報告 SR-24-'98 1998年3月30日環境負荷の構造変化から見た都市の大気と水質問題の把握とその対応策に関する研究 平成5〜8年度国立環境研究所特別研究報告 SR-26-'98 1993年3月31日環境容量から見た水域の機能評価と新管理手法に関する研究 昭和62年度〜平成3年度国立環境研究所特別研究報告 SR-11-'93 全てを見る 閉じる 国環研について 研究所概要 組織紹介 研究者紹介 研究所基本文書 研究所マップ 所外実験施設 調達・契約 採用案内 研究所の環境配慮 政策貢献 環境情報メディア「環境展望台」 情報公開 個人情報保護 情報セキュリティ対策 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)への対応 研究倫理 研究紹介 研究分野 戦略的研究プログラム 国の計画に基づき中長期計画期間を超えて実施する事業 研究成果 データベース/ツール 研究プロジェクト等のページ 研究計画・研究評価 外部連携 受託業務 委託業務 共同研究 地環研等との共同研究 全国環境研究所交流シンポジウム 環境研究機関連絡会 知的所有権(特許等) 研究シーズ集 国環研ベンチャー 研究試料の有償分譲 国際連携・国際活動 連携大学院 社会との対話・協働 寄附金 広報活動 研究所紹介パンフレット/動画 報道発表 イベント情報 見学について 国立環境研究所一般公開 国立環境研究所公開シンポジウム 刊行物一覧 Webマガジン「国環研View」 環境問題をわかりやすく 小・中・高校生の方へ メールマガジン SNS一覧 このホームページについて ソーシャルメディアポリシー プライバシーポリシー 関連リンク © 2022 National Institute for Environmental Studies -->

ホットニュース

インカジマイクロ 【最新版】ブックメーカーおすすめランキングTOP15|スポーツに ... カジノアプリリアルマネー kvメヘレン対kaaヘントスタメン
Copyright ©入金不用 The Paper All rights reserved.